 万年筆と紙と私 2021

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 アナログの筆記具が好きだ。絵を描いていた時もスケッチブックに水彩絵の具を使って描いていた。メモや覚え書きの類もメモ帳、ロルバーンが多かったがそれにボールペンで書くのがほとんどだった。子供はずいぶん前からほぼ日手帳を使っていた。昨年末にボールペンで書くための最良のノートを探していた事があった。いつものロルバーンにはじまりCampus、ロディア、ツバメなどいろいろ試していてトモエリバー紙も使ってみたくなった。トモエリバーは、ほぼ日手帳に使われていて評判もいい。ペンもボールペンはもちろんシャーペンでもサインペンでも何でもありの万能紙だと聞いていた。子供が、ほぼ日手帳を使っている事を思い出して試し書きのために手帳を借りた。辞書の紙のように薄くて頼りない紙の印象だった。そこに手持ちのパイロットフリクションボールペンで書いてみた。滑らかで書きやすい紙質だった。その時ペンホルダーにあったのがパイロット万年筆カクノだった。
 万年筆は学生の頃に使ったのが最後で就職してから使う機会がなかった。トモエリバー紙の質が良いせいもあってカクノ万年筆のFニブが心地よく走る。さっきまで書いていたボールペンのカリカリした書き心地とはまったく別物だった。それは懐かしいというよりも古くさい印象だった。それからだったボールペンを使って書く時の筆圧が気になり出したのは。特に細かい文字をメモ紙に書く時にはボールペンを立ててカリカリと紙を削るようにして書く。芯が0.3以下のタイプになると尚更である。だんだんとボールペンを使って書くのが嫌になってしまった。初めは子供に借りたカクノ万年筆と同じ中字のパイロット万年筆カスタム74を買った。インクも色彩雫の月夜や紺碧、天色など好きな青色インクも揃えそのためのコンバーターも何本か買った。
 2、3日使って書いていたがどうもあのトモエリバー紙に書いた感触とは違うのだ。使っているのはいつものロルバーンだ。その日から今度は万年筆に合う紙とノートを探す旅がはじまった。とはいえボールペンに使うノートを選ぶ際に試したノートがあるので、その中から選んでみた。やはりロディアは素敵だけれどもノートらしく綴られたノートが望ましい。結局ツバメの大学ノートに決まった。万年筆も紙も理想的なものが揃ったので一安心かと思った。しかしまだ万年筆の書き心地に満足がいかなかった。ペン先つまりニブがFサイズではまだ書いた時にカリカリ感がある。筆圧要らずで紙の上を滑るように書けない。極端に言うと筆で書いているようなあんな感じだ。どうもニブが細いのかも知れないと思った。そこで文房具屋に走ってMニブのプレピーを買ってきた。試し書きなのでやすい万年筆で十分だ。Mニブで書いてみるとほとんど筆圧入らずに尚且つ紙との抵抗もなくヌルヌルと文字が書ける。すぐにパイロット万年筆カスタム74のMニブを注文した。
 届いたカスタム74に届く前から用意していたコンバーターCON-70Nにインクを充填(Mニブには硬い月夜でなく紺碧を入れた)してまずはロディアに書いてみた。Fよりも若干太い分文字が大きくなるが気楽に書くにはこれくらいのサイズで滑るように書きたい。早速ツバメにも書いてみた。これだな、この書き心地だ。書いていて楽しい。筆圧要らずで少々大きめの文字で思った事、考えた事をそのまま万年筆に伝えて書かせている感じ。もうボールペンには戻れない。
See you tomorrow!

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