 文房具とパソコンと

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 文房具と言ったらペンやノートなどアナログの筆記具の事を言います。しかしパソコンの台頭により素朴な文房具が追いやられようとしています。現実的にもビジネスの世界でペンによる手書きの書類は存在を認められなくなりつつあります。いつも楽しみにしている情報管理LOGさんの記事 デジタルノートになるとノートの取り方はどう変わるのか? - 文具 を読んでデジタルノートについて書かれてあったので個人的な感想をまとめてみました。

デジタルとアナログのノートの最大の違い

 情報管理LOGさんでも言われていますがアナログノートの時系列性です。アナログのノートは上から下に書き、書いたノートはノートの上に順番に積み上げられる。この順序は消すか書き直さなければ変更出来ないため、デジタルノートとの大きな違いであり弱点であります。それでは具体的なデジタルノートとアナログノートの良いところを挙げてみます。

デジタルノートの利点

1.書いた文章が移動できる
WorkflowyなどのアウトライナーだけでなくGoodNotes5などの手書きノートアプリでも書いたテキストの位置を自由に移動する事ができる

2.記録する事と整理する事が分けられる
本文と備考欄が自由に配置して書くことが出来てあとで移動修正も自由に出来る

3.装飾も後回しに出来る
フォントの変更、見出しの形態などもレイアウトをみながら最終的にする

4.手書きのテキスト変換
GoodNotes5などの手書きノートは手書き入力のあとテキスト化して編集出来る

5.あらゆるノートから検索出来る
アナログノートでは出来ない最大の魅力である検索機能がある

6.複数人で共有編集出来る
デジタルデータなので複数で同じデータを同時に共有出来て同時編集も可能である

アナログノートの利点

1.電源が要らない 即、書き始められる
紙と鉛筆さえあれば取り出してすぐに書き始められる。アナログのこのスピードに敵うものはない

2.場所を選ばない
電源も要らないし書くためのスペースも要らない手に持って立って書くことも出来る

3.ルールがない アプリなど決まった様式にとらわれずに好きなように書ける
見たり聞いた事を好きな配置で好きなように書ける

4.道具を自由に選べる
後述するがアナログの一番良いところ、人類の自然な営みである文字を自分の指で書く喜びがある

5.字を忘れない
タイピングでは変換候補が示されて適した漢字を選べるがアナログでは知識が必要とされる

6.絵や図などが直感的に描ける
思いついたらツールも何も必要とせずに自由にすぐ描ける。アイデア出しには必須機能

デジタルとアナログのデメリット

デジタル

1.パソコンやスマホなどが必要

2.場所を選ぶ 電源や機器を置くスペースが必要

3.アプリが必要になる

4.キーボードなど書き込む技術が必要になる

アナログ

1.保存するのに場所がいる

2.書いたものは編集が出来ない

3.現物しかないので他人と共有して同時編集は出来ない

4.紛失する恐れがある

5.耐久性に乏しい インクや紙の劣化など

 こうして改めて比較してみると圧倒的にデジタルノートの方が有利です。何と言ってもデジタルノートの検索機能とテキストや画像などの移動や削除が簡単に出来る編集機能にはアナログノートでは足下にも及びません。しかしアナログノートの利点の4で書いたように道具つまりペンやノートの種類に好きなものが選べます。たかが筆記具ごときと思われる方もあろうとは思いますがここが筆記具好き、あえて言うなら文房具マニアのマニアたる所以であります。極端な言い方をすればノートをとるためのペンではなくて気持ちよくペンで書くためのノートであって目的がノートをとる事ではなく好きなペンで書いて楽しむための良質な紙のノートと言った方が正しい表現です。
 デジタルノートはほとんどがキーボード入力になります。iPadアプリを使えばApple pencilを使ってアナログのような入力も可能です。またiPadのディスプレイに紙のような書き心地を提供する保護シールなども用意されています。しかしApple pencilにしても芯の太さや色は変更出来てもインクと紙の関係のような書き心地の実現は不可能です。ボールペンにしても水性、油性、ゲルインクがあり万年筆でも顔料や染料インクがあり、それも古典インクか否かの区別もあります。そしてそれらのインクに最も適した紙を使ったノートに出会える事の方がそこに書かれることよりも大切な場合もあるのです。いわば趣味の部類の話を仕事の世界に持ち込むようですが基本的に仕事をするにも精神衛生上ある程度満足出来る環境を実現したい。デジタルノートの有効性は認めるが人間の本能の欲求もある程度考慮した環境整備も必要だと思います。ビジネスに関わる事でも根底には自分の趣味性、好みを活かした道具や方法を大切にする事でより良い仕事ができるのでは無いかと思います。わがままかも知れませんが出来る限りデジタルとアナログの共存出来るような環境であって欲しい。
See you tomorrow!

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