 ブロックロディアNo.16の使い方を考え直した

デスクで使うメモはブロックロディアNo.16が好きだ。No.16のロディアはA5サイズで真っ白な紙に薄い紫色の幅が7mmの罫線が横に印刷されている。そう印刷された80枚の紙はやや厚いボール紙の上に乗ってオレンジ色のカバーで表と裏が包まれ 天をステイプラーの針2本で止められている。そのすぐ下にミシン目があり1枚ずつ切り取る事ができるようになっている。また罫線は上段21mmの余白の下から始まり22行続き下段の余白の13mm上で終わる。印刷された罫線の左端から28mmの位置に上段の余白を含んで下段の余白までピンク色の縦の線が印刷されている。

ブロックロディアを1枚使い終わると切り離す。切らずに捲り上げて重ねておくような事はしない。だから裏の面は使わない それがブロックメモのルールだ。片岡義男もエッセイの中で語っている。

メモを万年筆で書いていく、という具体的な作業をする場所として、左側で綴じてあるノートブックを自分は好いていない、という事実をついに確認することが出来た。(中略)自分で文字を書いていくスペースとして、僕はノートブックを好いていない。その理由を僕は考えた。書き終えて左へと開いたページが、いつまでもそこにあるのが、いけない。ということは、書いたページは上に向けて開くと同時に、本体から切り離すのが僕の好みだ、ということがわかった。(中略)こうして僕は、いまようやく、ロディアのブロックの人になるのだろうか。
万年筆インク紙 片岡義男

写真のロディアをみてもらうと分かるように紙に印刷された罫線は表も裏もまったく同じだ。切り離してみると縦に引かれたピンク色の罫線も表と同じに左端から28mmのところにある。ロディアの紙は秤量80g/㎡としっかりした厚さがあり万年筆で書いた文字が裏抜けするような事はない。

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日頃からブロックロディアを1枚使い切ると片岡義男を真似て潔く上へ切り離して捨てていた。何事も先人の行いを見習って習得するべきだ。
しかし いつも心の何処かで勿体ないなと思っている未練がましい自分がいた。ブロックロディアNo.16の1冊なんて600円も出せば買える。切り離した紙をまた集めて閉じ直して使おうなんて いくら何でもケチ臭くて格好悪い。だけど真っ白な紙に表とまったく同じ罫線が引かれた裏面を使わずに捨てるのは悔しかった。が捨てない自分も想像すると惨めだと思った。

ある日切り離したロディアを裏返して新しい表面に重ねてみたマイクロカット加工のミシン目にそって切り離された紙は下にある表の面に寸分の狂いもなく乗った。切り離したあとの新しい紙が表れたのと同じ新鮮な状態だ。側にあったクリップで紙の左上を止めてみたら違和感もないし これなら自分も許せそうだ。

ブロックロディアのオレンジ色の背表紙に80 feuillets-sheetsと書いてある。160 lined pagesではない。つまりあくまでも80枚の紙なのだと言うことか。邪道でもいい それくらいブロックロディアが好きなのだ。

See you tomorrow!

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