 キンモクセイは二度 香る

キンモクセイが咲いた。10月のはじめにオレンジ色の小さな花をつけたがすぐに閉じた。だからこれが2度目の開花になる。1度目は花も小さかったし香りも弱かった。11月になって咲いたキンモクセイの花は数も多く花も大きく香りも強い。

キンモクセイの花が2度咲くことは知っていたが詳しい理由は分からない。2度咲く年もあるけれど咲かない年もあるようだ。一般的に言われる理由には・地球温暖化の影響・気温の急激な変化・雄株と雌株が会話をしているなどがある。雄株と雌株が会話というのは興味深い。

植物には雌蕊(めしべ)だけの雌花しかつけない株と雄蕊(おしべ)だけの雄花しかつけない株が別々となっている雌雄異株と同一の株に雌蕊と雄蕊をつける雌雄同株のものがある。キンモクセイイチョウと同じ雌雄異株になる。しかしイチョウには実がなりキンモクセイにはならない。理由は雌雄異株のイチョウは日本に雌株がありキンモクセイには雌株がないからだ。

江戸時代に中国からもたらされた日本のキンモクセイには雌株がない。そのためにタネができないので挿し木によって増やされている。雄株だけを持ってきた理由は雌株よりも花つきが良いからだといわれている。

雌雄異株の場合 雄株も花を咲かせる。そして雄花の花粉を昆虫に運んでもらって雌花の雌蕊に受粉させ種子をつくるのが自然の摂理だ。日本のキンモクセイは雄株しかないために咲く花は雄蕊でその花粉は昆虫が運んでも届け先つまり雌蕊のある雌株のキンモクセイがみつからないのだ。

秋のはじめに花を咲かせたキンモクセイは花粉を届ける相手がみつからずに一旦は花を閉じた。キンモクセイの開花期間が短いのはこのためだ。雌株のキンモクセイを探す雄株のキンモクセイはもう1度花を咲かせた。遠い異国のキンモクセイへのメッセージだ。まえに咲かせたよりも大きな花をたくさん咲かせ香りも強くしてアピールしている。

See you tomorrow!

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