 コロナと自転車と弱虫ペダル

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 フランスの街中の映像が流れた。道路いっぱいに拡がって走る自転車とそれに乗った多くの人々の姿だ。たぶん、通勤途中の様子だと思う。2ヶ月間の外出規制が緩和され仕事や学校に復帰する人たちだ。
 フランス政府はコロナ後の通勤手段に自転車通勤を推進しておりソーシャルディスタンシング実現のために脱公共交通機関を掲げている。今までの自動車やバス専用レーンも見直して自転車専用レーンを整備するなどの対策も取られている。また排気ガスを出す自家用車には自転車通勤者が排ガスとコロナウィルスの両方を吸う危険があるとして都市部での通行規制も行われている。そのために乗らなくなった自転車を出してきて修理して利用する人たちにはその費用も負担するそうだ。こういった国の方針のために新しく自転車を購入する人も増え第2波のコロナウィルスに備えているようだ。自転車は原則1人乗りなので密な環境になり難くコロナ対策には最適だとされている。
 もともとフランスなど欧州では自転車はスポーツとして盛んだったがコロナウィルスによる外出制限下では自転車でさえ単独で自宅から1kmの範囲を1時間以内の健康のためだけに乗ることが許されていた。今回の規制緩和により人々が開放感を感じるためにも自転車がうってつけだったのだろう。
 こうした自転車の安全を妨げる自家用車排除まで徹底した政策が取られるのは欧州らしいと思う、が日本にはそんな兆しも一切見られない。もともと日本では自転車が邪魔者扱いされる風潮がある。歩道を走れば歩行者に、車道を走れば自動車から、どちらからも自転車は嫌われる存在である。よく自転車に乗る人のマナーが悪いとか、ルールを守らないといった批判を耳にする。一部にはイヤフォンで音楽を聴きながらとかスマフォを片手で操作しながら運転している不届き者も居るがほとんどは真面目な自転車乗りだ。自転車に乗って街を走ってみるといい。まず、どこを走ったらいいのかと迷う、歩道なのか車道なのか決められない。本来、自転車は車両なのだから一般車両と同じ車道を走るのが規則だろうが大型貨物のすぐ脇を小さな自転車で走るのはどう考えても危険だ。かと言って歩道を走ると、だいいち狭い歩道に歩行者が横に拡がって我がもの顔で歩いていては通過することさえままならない。歩行者からすれば歩道なんだから自転車から降りて押して歩けばいいとでも思っているのだろう。
 こんな環境では欧州のような政策も取りにくく改善も見込めない。そして、それは今に始まったことでもなくいっこうに直ることがないまちづくりのビジョンの違いだろう。
 コロナウィルスは治まるのが一番望ましい。そして今後の生活のあり方を見なおさなければいけない。仕事の仕方、学校のあり方、衣食住全般、医療など根本的に考えなおすべきだ。まずは個人の考え方、生活のしかた、今回の教訓をもとに自分なりに将来の設計をし直したい。。。。。で、何で弱虫ペダルなんだ。
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 自転車といえば昨年30年前のMTBを引っ張り出してきて乗り始めた。タイヤやサドルは修理したがブレーキやギヤ周り他は大丈夫だったので1年経った今も快調に走ってくれている。部屋の中でオブジェとして飾ってあったのでサビもほとんどない。30年ぶりに乗った自転車は、自由な気持ちをくれた。同じ2輪車でもオートバイとは違って自転車とは親密感を味わえる。弱虫ペダルのなかで大阪から来た転校生が主人公の小野田坂道のママチャリを見て「良いチャリに乗っているなぁ」と褒める場面がある。「良いチャリってのは高価なチャリという意味じゃあなくて良い相棒って意味だぜ」という言葉の意味がわかります。僕はペダルを回すから君は一生懸命僕を運んでくれ、なんて感じの一体感だ。
 弱虫ペダルはアニメオタクで運動神経の皆無な主人公小野田坂道がひょんなことから同級生で自転車のロードレースの成績優秀な今泉俊輔と高校の通学路のキツイ坂道で勝負をする事になるところから始まる。小野田坂道はレース経験もないママチャリに乗ってるシロートだ。しかし10歳の頃から電車賃を浮かすために秋葉原まで片道45kmをそのママチャリで毎週往復していた経験はある。しかも親がスピードが出ないように前のギヤを小さくしてあった。そんな彼が経験豊かな今泉と互角の勝負をしてしまい、それをきっかけにどんどんロードレースの世界にハマっていく物語だ。ロードレースというと個人競技のように思われがちだがロードレースにはトレイン効果という技術があって1台の自転車のすぐ後ろにタイヤが接触するくらい後続の自転車がついて走ると後続車は体力的にも脳や視力にも無理をかけずに走る事が出来る。そんな技だ。コロナウィルスの関係で自転車もライド・ソロに規制されていたが規制緩和されたことなので徐々にトレイン効果も組入れて理想的な先導者について正しい道を走りたいものだ。
See you tomorrow!

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