カクノ万年筆やプレピーの事ばかりお話していますがもう1本カスタム74という万年筆も使っています。と言ってもどの万年筆もこの2ヶ月ほど前から使い始めたばかりです。今まではボールペンばかり使っていましたし万年筆を使うようになるとは思ってもみませんでした。万年筆のイメージは年寄り臭くてペン先やインクの管理が面倒で書くための紙を選んだりと、とても普段使いなど出来ないと決めつけていました。
PILOT万年筆カスタム74は万年筆に興味を持って初めて買った大人の万年筆です。10000円で買える14金のニブの万年筆が大人の万年筆なのかどうかは疑問ですが自分にとっては高級な大人の筆記具だと思っています。鉄ニブのカクノ万年筆から金ニブのカスタム74に持ち替えて書いた時には素人にも書き心地の違いはハッキリと分かりました。そしてその感覚は徐々に病みつきになっていきました。はじめは万年筆で書く事自体が儀式めいていて面倒でしたがだんだんとその書き味やキャップを外すときの感覚そして指を汚しながら行うインクの補充でさえ楽しみになりつつあります。
カスタム74万年筆の名前はパイロット社創業74周年(1992年)に作られた万年筆であることを意味するそうです。日本語を書くことにこだわって作られた日本品質のパイロットを代表する定番万年筆で入門万年筆として提供されています。上級モデルにカスタム742、プロも満足の最上級モデルカスタム743があり、書くことにこだわるなら鉄板の万年筆だと評されています。
カスタム74シリーズ
カスタム74 | カスタム742 | カスタム743 | |
---|---|---|---|
大きさ | 143×14.7 21g | 146×15.7 24g | 146×15.7 24g |
ペン先 | 5号14K | 10号14K | 15号14K |
ペン先種類 | 11種類 | 15種類 | 14種類 |
価格 | ¥12960 | ¥21600 | ¥32400 |
万年筆を使い始めたばかりなので経験も未熟で詳しい知識もありませんがこれから万年筆を使ってみようと思っている方に向けてのメッセージです。金ペンで1万円前後の万年筆はパイロット、プラチナ、セーラーの国産メーカーからそれぞれ用意されているようですがたまたまカクノ万年筆がパイロット社だったのでカスタム74にしました。今のところ満足していますが上級モデルや他のメーカーの万年筆を試してみたい気持ちはあります。しかし万年筆は育てる筆記具と言われるように特に金を使ったペン先は使い方や書くときの癖で自分なりに変化していくそうです。またペン先の調子が悪い時には繊細に調整して下さるペンドクターもいらっしゃるとか聞きます。そうなるとある程度、5年とか10年使わないと万年筆の良さ云々など語る資格もない立場です。
カスタム74は万年筆を知りたかったらまずは使ってみるべき1本だと思って購入しました。しかし購入前には随分悩みました。なんとも言えない古臭い本体とキャップをネジで開け閉めしたりインクはカートリッジ式とコンバーター式の両用なのだけれどメチャメチャ面倒そうです。まぁ定番のひとつなのと馴染のあるPILOT万年筆ならハズレは無さそうだと思い切りました。案の定初めてのコンバーターによるインク補充は散々でした。まだコンバーターがプッシュ式だったので入れやすかった方ですが指は真っ青にインク色に染まりました。さて試し書きですが慣れない万年筆なので握り方や角度、筆圧など予めWebで予習したのですが小心者の自分にとっては高価な金ペン、かすかに指が震えていたような。。。そんな事はなかったですがカクノ万年筆の鉄ニブとは明らかにペンの滑りも異なりイメージどおりにペン先が文字の書き順を先に描いていく感覚です。カクノは特に極細なのと鉄ニブなのでカリカリと紙を削る様な感覚です。筆圧とか滑らかなペンの動きはカスタム74を使った時に初めて味わいました。
たぶんカスタム74万年筆よりも書き心地の良い万年筆はたくさん存在すると思います。試してみたい気持ちはヤマヤマですが、気持ち的にも経済的にもカスタム74を使い続けると思います。初めて使った時のあの感覚を超えられる万年筆に巡り合う事はもうないと思います。
See you tomorrow!