大人の鉛筆と大人の芯削り器 [北星鉛筆]
ここに古いシャーペンがある。2000年頃に水彩画を描き始めた時に使っていたデッサン用のペンだ。誰かのおフルなのか出所は不明だ。青いプラスティックのボディに2.0mmの芯が入っていた。
絵は描かなくなってしまったけれど二年ほど前から文房具に興味を持ってシャーペンも何本か揃えた。その中でもお気に入りはステッドラー社の771だった。その頃すでにボールペンを使うことを辞めていて万年筆か筆圧の要らない太くて柔らかい芯のシャーペンに決めていた。ステッドラーの771は1.3mmの2Bだった。
ステッドラーの書き味は好きだったけれど1.3mmの太さの芯に物足りなさも感じていた。一般的に鉛筆の芯の太さは2.0mmらしい。子供の頃使っていた鉛筆がそれの2Bだったような記憶がある。鉛筆も高学年になるとシャーペンにかわり いつしか手にすることもなくなった。
この子供の頃の鉛筆の使い心地 2.0mmの安心感のためかステッドラーの1.3mmを使いきれない理由があったのかも知れない。
北星鉛筆の大人の鉛筆は前から気になっていた。もう万年筆にドップリの生活になっていたので使うことも無かったが大人の鉛筆に関してブログで紹介しているdigistill さんの記事大人の鉛筆 の検索結果 - ステーショナリー研究室日報を読む度に衝動に駆られていた。
本屋に絵本を買いに行ったら「大人の鉛筆」が目にとまった。高価な商品ではないのだけれど いまさらシャーペンを手に入れても使わないだろうと躊躇した。 しかし梱包もすっきりしていて好感が持てたし使ってみたい誘惑に負けて購入してきた。たった 税込み¥748のことだけどw。
北星鉛筆の大人の鉛筆は鉛筆ではなかった。軸は鉛筆よりもやや太く(8.6mm)アメリカ産のインセンス・シダーという木製だが新しいせいか滑りやすく重さも鉛筆よりも重い。しかし以前に使っていたプラスティック製の2.0mmのシャーペンとは全くの別物でしっとりとして温かい握り心地だ。
大人の芯削り器がセットで付いてきた。大人の鉛筆には付属に替え芯はなく鉛筆本体に内蔵された2.0mmの芯だけだ。芯径が2.0mmもあるので削らなくては細かな筆記ができない。削るといっても木製の軸の先端部分には金物のペン先が付いている。そこで「大人の芯削り器」が登場する。見ただけでは理解しにくいがノックを押して芯を1cmほど出して削り器に差し込んで左右に回転させて削る仕組みだ。この中途半端にアナログな部分とハイテクな鉛筆構造の融合が「大人の鉛筆」と「大人の芯削り器」と言わしめる所以だろうか。
大人の鉛筆を手に入れて2.0mmのB芯の書き心地を懐かしく思いながら使っている。ときおり訪れる芯削りタイムに大人の時間を楽しみながら。
古い青色の2.0mmをよく観察したら思わぬロゴを発見して不思議な気持ちになった。
そこにはステッドラー 788 とあった。
See you tomorrow!