 柿の甘さ

今年も静岡の森町にある佐野ファームでとれた治郎柿*1を頂きました。

子供の頃 柿は家で穫れても喜んで食べるほどではありませんでした。熟れた柿は苦手だったのでまだ固くて渋みがある柿を食べていたせいかも知れません。「酔っぱらいを追い出すには柿を食わせろ。」と言われるようになった40歳くらいになってようやく柿の甘さ 美味さが分かるようになった気がします。

美味しんぼというマンガ本の中で登場人物の1人に海原雄山という料理家であり陶芸家がいます。彼が言った言葉で「和菓子の甘さは柿の甘さを越えてはならない」というのが何故かしら印象に残りました。今の菓子の甘さを壊したのは砂糖であるとも言っています。子供の頃には柿の大人っぽい自然な甘さでは物足りなくてチョコレートやキャンディのような強烈に甘い菓子ばかり求めていました。

大人って言われる頃 からか自然な甘味が理解できるようになりました。かと言ってカスドースなんかも病みつきになったりもします。柿もやや熟れて柔らかく適度な甘さが出た頃がお好みになってきました。
今年の治郎柿は届いた頃がちょうど食べ頃に熟れていて美味しいそうです。さっそくオシャレに切り分けて頂くことにします。

See you tomorrow!

*1:治郎柿の誕生は、江戸末期の弘化(こうか)年代(1844~47)に森町村(もりまちむら)五軒了(ごけんちょう)の百姓「治郎(松本)」が太田川の川原で柿の幼木を見つけ、これを持ち帰り自宅に植えたのがはじまりです。その後、明治2年(1869)の火事により焼失。しかし、翌年に芽を出し成長して、数年後には再び実をつけました。ところが、その実は焼失前に比べて肉質はきめ細やかで甘味(あまみ)も豊潤(ほうじゅん)、加えて種も少なくとてもおいしい柿でした。他に比類無き卓絶する良品種であったと伝えています。当時人々は、「治郎さの柿・じんろうさの柿・じん郎柿・治郎柿」と呼称し、戦後は「治郎柿」と書かれるようになりました。現在は県の天然記念物として大切に保存されています。
参照:静岡県森町HPより

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