 インク沼への誘い [深海]

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ここに万年筆用のコンバーターがある。パイロット万年筆のcon-40というタイプでインクを0.4ml貯めることができて この装置からペン先へとインクを運ぶ。いまは空っぽになっているがカクノ万年筆に色彩雫の月夜や紺碧 松露を入れて書かせたこともある。その後カクノ万年筆はもう一回り大きなコンバーターcon-70に松露を入れられて奉公に出た。

話はかわって一番のお気に入りのパイロット万年筆のキャップレスを取り出してきた。キャップレスのペン先は小さくてもいっちょまえに18金でできている。いまはキャップレスにはインクカートリッジのブルーブラックを装着して文字を書かせている。パイロット万年筆のブルーブラックはあっさりとした紺色でプラチナ万年筆のブルーブラックのように古典インクらしい堅実で濃い紺色ではない。そんなことからキャップレスにももっとブルーブラックらしい紺色を入れてやりたいと思っている。ただキャップレスには古典インクは向かないそうで故障の原因にもなると言われているので社外品のブルーブラックは避けたい。またインクを好みのものに変えるにはコンバーターが必要になる。そしてキャップレスには小ぶりのcon-40しか取り付けられないようだ。そうか con-40なら手持ちがあるではないか っと白々しく思い出したかのように言ってみる。

パイロット万年筆のブルーブラック インクカートリッジには公式発表されていないが0.9mlのインクが詰まっているそうだ。比べてコンバーターcon-40には0.4mlしか入らない。以前使っていたカクノ万年筆はスケルトン軸だったのでインクの残量が常に見ていられた。しかしキャップレスの場合はインクの状態を知るためには本体軸を分解しペン先とインクの入ったカートリッジなりコンバーターなりを取り出すといったギミックな作業を要する。コンバーターの容量が小さくなればその頻度は増すことになる。同じキャップレス万年筆のプラチナ万年筆のキュリダスのように新しい設計でカチッとした作りなら何度分解しても平気だが設計の古いキャップレスでは一抹の不安を覚える。

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パイロット万年筆の色彩雫に深海がある。月夜と同じ紺色ではあるが月夜の黄色を混ぜた暖かい色ではなく紫色が混ざったような冷たい色のようだ。深海も書き始めは紺色だが次第に灰色がかった濃いブルーつまり冷たいブルーブラックになるという。これならマットブラックのキャップレス万年筆にピッタリじゃぁないかと思うわけだ。そして深海を入れるコンバーターcon-40も この時を待っていたかのようにデスクの片隅にある。なにかの縁かと思って深海を注文しようか。

See you tomorrow!

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