 万年筆でApple Pencilの凄さをあらためて知る[Custom74][Apple Pencil]

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 万年筆を最近になってよく使うようになりました。始めはPILOTのカクノという小学生向けの練習用の万年筆を使ってみました。子供の頃使って以来の試みでした。今までは日記のようなノートをつけるのにはiPadを使っていましたが、あまりにも情緒に欠けて気持ちや記憶を書き残すには不向きな気がしていました。もちろん機械的にデータを残すにはiPadが便利に違いないし保存も簡単で後から検索も出来ます。ただ自分の考えた事や思った事は数字やテキストで整然と書き表すことは難しいのです。そんな作業は実際にペンを持ってじっくりと書かないとまとまりません。iPadApple Pencilを使った日記も試してみましたが向いていないようです。
 メモ帳は基本的にアナログ手帳を使っています。よくあるロルバーンというメモ帳でダイアリーもロルバーンを使っています。紙に書くにはペンがいるわけで妙にこの部分にこだわっています。手帳に使うペンは主にボールペンですがシャーペンやカラーのボールペン、マーカーも使ったりします。最近になってここに万年筆を加えてみたわけです。ボールペンと一口に言っても芯の太さや色、インクの種類もちろんペンのデザインなどあらゆる選択肢があって迷いましたがそれが今度は万年筆となるとニブ(ペン先)の種類、インクの色やメーカーなどまたいっそうマニアックで高価な分野になります。そして万年筆を選ぶ上でも最も重要な基準が書き心地になります。一般的なボールペン(自分が所有している程度の)は比較的安価なので何本も試しに購入する事も出来ますし試し書きも近くの文具店で簡単に出来ます。しかし万年筆となるとそうもいかずネットの情報を頼りに選ぶ事になります。
 Apple Pencilを使ってiPadで日記を書くにあたっても1番に問題になったのは書き心地でした。Apple PencilでiPadの画面に文字を書くとよく滑ります。そしてコツコツとガラスを叩く音もします。どうしてもこの感覚が嫌で画面にペーパーライクな保護シートを貼ったりペン先をサードパーティー製のものと交換したり挙句にアプリケーションの変更までしましたが良い結果が出なかった事もデジタル日記を断念した大きな理由です。つまりツルツル、コツコツは治らなかったという事です。
 久しぶりに万年筆で書いてみましたがカクノ万年筆が小学生向きに開発された製品なのと安価なせいか気軽に書けて快適でした。日記を書くのにカクノ万年筆のインクをボールペンの時と同じように青色にするとボールペンよりも良い雰囲気で書けました。だんだん慣れてくると書いたノートの出来栄えが細い芯のボールペンで書いたものより読み難い事に気がつきました。そこでニブをもっと細い字が書けるEFサイズにしましたが綺麗には見えるのですがカリカリとシャーペンで書いているような感覚になります。 まぁ5mm方眼のロルバーンに書くにはこれがベストなんだろうと納得してこの件は決着しました。
 本当の、本物の万年筆ってどんな書き心地なのだろう。。。また悪い癖が始まります。気になって色々調べた結果、そんなに高価ではなく万人向けで使いやすそうな万年筆にPILOTカスタム74があると知り早速注文して昨日届いたわけです。さっそくコンバーターでインクを吸わせて準備をしました。インクはカクノのために揃えた色彩雫月夜です。事前に万年筆の正しい持ち方とか筆圧について練習はしておいたのですが、やや緊張気味に紙に書いてみて驚きました。書くというよりも紙の上にインクを乗せていくような感覚で筆圧はほとんど要らずスルスルと書けます。これが万年筆なのかと、それまで思っていた感触との違いに驚きました。
 一般的な普通の万年筆で書いてみて分かった事があります。Apple Pencilの書き心地についてですがあれだけ嫌だったツルツル、コツコツはあれで良いんだって事です。カスタム74で書いてみて、まるで筆で半紙に書いているような感じで書けました。筆圧ではなく如何に筆圧をコントロールするかが問題なのです。あらためてApple Pencilを使ってProcreateの製図ペンあたりでアルファベットを筆記体で書くとよく分かります。これが欧米で言うペンなのだ。これが筆圧なんだ、筆圧というのは力をかけるよりも如何に強さを調整して美しい線つまり文字を書けるかなのだ。そしてこれがペンの実力なんだと初めて分かりました。たかがペン、されどペン。万年筆というアナログの道具でApple Pencilの最先端の技術がいかに優れたものか教えられました。
See you tomorrow!

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