 パイロット万年筆カスタム74の棚吊り[con-70N]

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 カスタム74のコンバーターからインクが滲んでいたので交換した。このコンバーターはcon-70という古いタイプで新しいタイプのcon-70Nにかえた。con-70Nはコンバーターの棚吊り防止のために中に金属部品を追加した新しいタイプだ。形状は新旧ほとんど変わらず取り付け方法も同じだった。ただ細部の寸法が違っているのか万年筆に差し込んだ時の深さが若干異なり中途半端な取り付け状態のような気がした。※棚吊りとはインクタンク(コンバーター・カートリッジ)内部でインクがペン芯まで降りてこない現象をいう。 表面張力などでインクがタンク内にて留まり筆記できなくなる現象を「棚吊り」と呼ぶ。
 色彩雫「松露」が届いたのでcon-70コンバーターを満タンにしたが - tomi_kun’s diary

 せっかくコンバーターを新しくしたのだしペン先も洗ってインクを交換してみる事にした。今までは色彩雫の紺碧だったが、また気分をかえて月夜を入れる事にした。con-70もcon-70Nもプッシュ式のコンバーターなのでインクの充填は簡単だ。この作業は、もう何回もやってきているので慣れたものだ。今回は新品のコンバーターだからかインクの吸引もスムーズなので思いっきり満タンになるまでインクを入れた。万年筆の上下を反対にしてもインクが動くのが見えないくらい満タンに入れた。

 月夜を入れてA5サイズのノートに2枚くらい書いたところで急に字が書けなくなった。まさかとは思ったが軸を外してコンバーターをみたがインクは満タンのままで少しも減っていなかった。。。。。これが棚吊りなのか、と思った。万年筆を逆さまにしても反応はなく書けない。5本ほど万年筆を使っているがこんな事は初めてだった。前に似たような症状の時には振れば直って復旧したので今回も振ってみた。反応がなかった。ネットで同じパイロットのコンバーターでcon-50が棚吊り状態になった時にコンバーターを回して締め込むと直ると書いてあったのを思い出した。また軸を外してコンバーターを時計回りと反時計回りに回してみた。しかしペン先からインクが出てこない。

 いよいよコンバーターを外して組み付けのやり直しか、また洗浄のし直しなのかとcon-70Nに呆れた。最後にもう一度万年筆のキャップを閉めて思いっきりペン先側を下に向けて振ってみた。2、3回振って耳元で音を聞くとカタカタと音がした。やっとコンバーターの中の金属部品が動いたようだ。ノートに書いてみると、元のように書けた。書けなくなる前よりもインクフローが良くなって本来のカスタム74の書き味が戻った。

 どうやらインクの充填が多過ぎて真空状態になってしまったのかも知れない。さっきコンバーターを回した時に空気が 入ったのだろうか。実際のところは原因は分からない。棚吊り防止機能付きのコンバーターでこんな症状が出ては困る。それとも新品だったから機密性が良過ぎたとか。その後はいつもどおりの状態に戻り気持ち良く筆記している。
See you tomorrow!

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